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繁忙期で引越し業者が見つからないときや、少しでも安く引越しをしたいときなどに選択肢のひとつになるのがレンタカーを使った引越しです。ただし、近場の引越しなら荷物を運び終えた後に返却するのもそれほど大変ではありませんが、東京から大阪への引越しとなると返却のために戻ってくるのもひと苦労です。
そういうときには、引越し先の店舗で返却できる乗り捨てサービスがおすすめです。ただし、乗り捨てサービスは別途費用が必要になりますし、気をつけなくてはいけないポイントがいくつかあります。そこで、ここではレンタカーを使った引越しの乗捨料金や、利用するにあたっての注意点などをご紹介していきます。
引越し百科の運営会社である株式会社SMAの代表兼ウェブディレクター。自身の引越し経験5回を元に記事の制作やキーワードコンセプトを決めるなど、サイト全体のプロディース業務を務めている。SEO業界のセミナー講師も務める。
2015年9月からWebメディアを中心に執筆を行っています。引越し経験10回の体験談を基に、ユーザー目線で役立つ情報を提供します。これまで、不動産、金融、旅、スポーツなど多岐にわたるジャンルで記事を執筆してきた経験があり、実践的で分かりやすい内容に自信があります。
レンタカー乗り捨てサービスとは
レンタカーは通常、借りた店舗に返却する必要がありますが、大手レンタカー業者の場合には必ずしも借りた店舗に返す必要がなく、オプションで別の店舗に返す「乗り捨てサービス(ワンウェイ・レンタル)」を用意しています。
借りた店舗に返す必要はありませんので、例えば東京から静岡に引越しをするときに、都内の店舗で借りて、静岡の店舗で返却するといった使い方ができます。このサービスを使えば、返却のための都内にまで戻る必要もなく、さらには引越し先への交通費もかかりません。
とはいえ、レンタカー業者は元の店舗に車両を戻す必要がありますので、それに必要となる費用として乗捨手数料が発生します。乗捨手数料は移動距離が長くなればなるほど高くなり、例えば東京で借りて神奈川で帰す場合には5,000円程度で済みますが、大阪で返す場合には4万〜6万円程度かかります。
それだけの手数料がかかるなら、東京まで戻って返却し、新幹線で大阪に移動するほうが費用を抑えることができます。レンタカーそのものは安くても、乗捨手数料はかなり高額なことになるということを覚えておきましょう。具体的にどれくらいの料金がかかるのか、次章で詳しくご紹介していきます。
レンタカーの乗り捨てサービスは業者ごとに料金や、サービス内容に違いがあります。そこで、ここでは業者ごとの料金体系や具体的な手数料、サービスの特長などをご紹介していきます。
ニッポンレンタカー
ニッポンレンタカーの乗り捨てサービスは、10kmごとに手数料が発生します。車種によって違いますが、手数料は乗用車とワゴン車によって変わってきますが、ハイエースなどのバンは10kmごとに1,100円かかります。ただし出発店舗と返却店舗が20km以内であれば、手数料は無料です。
例えば40km先の店舗に返却する場合には4,400円、100km先なら11,000円の手数料が発生します。ただし15km離れた店舗に返却するのであれば、手数料は発生しません。10km単位で計算されるので、他社よりも安くなりやすいのがニッポンレンタカーの魅力です。
ちなみに北海道内や四国内での乗り捨ての場合には、別途乗捨手数料が定められています。また、本州と北海道間の移動の場合にはフェリー代などの渡航費用も追加で加算されます。
営業所間の距離が20km未満の場合は無料
乗用車(軽商業車含む):880円/10km
ワゴン車・トラック(軽除く):1,100円/10km
例(バン) | 乗捨手数料 |
---|---|
東京⇔神奈川 | 3,300円 |
東京⇔静岡 | 20,900円 |
東京⇔大阪 | 56,100円 |
東京⇔福岡 | 121,000円 |
トヨタレンタカー
トヨタレンタカーの乗捨手数料は距離ではなく、都道府県ごとの料金設定になっています。例えば東京から神奈川に引越しをするときに、横浜で乗り捨てするのも小田原で乗り捨てするのも同一手数料になります。また、同一都道府県の店舗であれば無料で乗り捨てできます(北海道を除く)。
他のレンタカー業者よりもかなり安く設定されていますが、北海道と沖縄は同一道県内でしか乗り捨てできないという制約もあります。このため札幌から仙台への引越しで使うようなケースでは、少なくとも函館までは返却のために戻ってくる必要があります。
同一都道府県の店舗:無料
別の都道府県の店舗:都道府県ごとに設定
例(バン) | 乗捨手数料 |
---|---|
東京⇔神奈川 | 2,200円 |
東京⇔静岡 | 8,800円 |
東京⇔大阪 | 35,750円 |
東京⇔福岡 | 78,100円 |
タイムズレンタカー
タイムズレンタカーの乗捨手数料は50kmごとに料金が加算されていきます。ただしニッポンレンタカーと同様に20km以内であれば無料です。軽・乗用車・ライトバンとミニバン・SUV・トラックといった車種ごとの料金設定があり、バンタイプやトラックは50kmごとに5,500円かかります。
また北海道と本州をまたぐ乗り捨ては不可で、北海道内や四国内ではエリアごとに手数料が設定されています。
営業所間の距離が20kmまでの場合は無料
軽・乗用車・ライトバン:50kmごとに4,400円
ミニバン・SUV・トラック:50kmごとに5,500円
例(バン) | 乗捨手数料 |
---|---|
東京⇔神奈川 | 5,500円 |
東京⇔静岡 | 22,000円 |
東京⇔大阪 | 55,000円 |
東京⇔福岡 | 121,000円 |
日産レンタカー
日産レンタカーの乗捨手数料は50kmごとに4,400円かかり、20kmまでが無料です。他のレンタカー業者と違って車種による違いはなく、軽自動車を借りてもトラックを借りても、乗捨手数料は同じ金額に設定されているため、トラックなどを借りる場合には割安になります。
こちらも北海道と本州をまたぐ乗り捨ては不可で、北海道はエリアごとに手数料が設定されています。また、北海道は乗捨不可な店舗もあるので注意が必要です。
20kmまで:無料
50kmごとに:4,400円
例(バン) | 乗捨手数料 |
---|---|
東京⇔神奈川 | 4,400円 |
東京⇔静岡 | 17,600円 |
東京⇔大阪 | 48,400円 |
東京⇔福岡 | 101,200円 |
オリックスレンタカー
オリックスレンタカーの乗捨手数料は、移動距離が50kmごとに手数料が発生しますが、他社と同じように20km以内の営業所に返却する場合には手数料は無料です。ただし、北海道や沖縄への乗り捨てが不可で、さらにトラックの乗り捨てもできません。
トラックがNGとなると、荷物の多い引越しでの利用には利用できません。バンタイプで荷物が収まる単身引越ならいいのですが、そうでない場合には他のレンタカー業者を利用する必要があります。
営業所間の距離が20kmまでの場合は無料
一般車両:50kmごとに4,400円
高級車・ワゴン車・商用バン:50kmごとに5,500円
例(バン) | 乗捨手数料 |
---|---|
東京⇔神奈川 | 5,500円 |
東京⇔静岡 | 22,000円 |
東京⇔大阪 | 55,000円 |
東京⇔福岡 | 121,204円 |
引越しでレンタカーの乗り捨てをするときの注意点
レンタカーで引越しをする場合、借りた店舗に返さずに済む乗り捨てサービスはとても魅力的ですが、通常のレンタカーを借りるのとは違った注意点がいくつかあります。どのようなポイントに気をつけなくてはいけないのか、詳しく見ていきましょう。
確実に1回で積載できるサイズの車を借りる
引越しで乗り捨てサービスを利用するということは、それなりの移動距離になるはずです。このときに気をつけなくてはいけないことは、荷物の量に見合った車種を選ぶということです。近距離の引越しなら数往復しても問題ありませんが、距離が長い場合には何度も往復というわけにはいきません。
このため、必ず自分の荷物を1回で運べる車種を借りるようにしましょう。例えば大型の冷蔵庫と洗濯機がある場合には、バンタイプで同時に運ぶことができません。このようなケースでは2tトラックを借りるようにしてください。できれば自分なりに図面を書いて積載できるかどうか確認した上で車種を選びましょう。
当日に積み込んでみて乗らなかった場合には対処方法がありません。乗るかどうか不安な場合には、ひと回り大きめのレンタカーを借りておきましょう。
乗り捨て可能なエリアか確認しておく
大手レンタカー業者のほとんどが、乗り捨てサービスに対応していますが、すべての車、すべての店舗が対応しているわけではありません。車種によってはNGとなっていることもありますし、後の予約が入っている場合も乗り捨てできないケースもあります。
また格安レンタカーは、返却できる店舗がありませんので乗り捨てには対応していません。このように、乗り捨て前提での利用を考えていても、いざ借りようとしたときに利用できないというケースがあります。
乗り捨てサービスの利用を考えているときには、念のためNGだった場合のことも考えておきましょう。
事前に乗り捨てサービスを申し込みしておく
乗り捨てサービスは原則として契約時にサービスの利用を申し込みしておく必要があります。同じ店舗に返す契約内容で、途中から乗り捨てにしたいと思っても対応してもらえません。状況に応じて変更しようという使い方はできませんので、乗り捨てするのであれば最初から申し込んでおきましょう。
レンタカー業者によっては急な乗り捨て場所変更などにも応じてくれることもありますが、追加で費用が発生することになります。次の予定が入っている場合には「必ず決めた場所に返してください」と言われる場合もあります。そうならないためにも、綿密にスケジュールを組んで予定通りに引越し作業を進められるように心がけましょう。
乗り捨てなら引越し業者が安いケースもある
レンタカーを借りての引越しを考えている人の多くが、予算が限られているから安く済むレンタカーを選ぶわけですが、乗り捨てサービスを利用するとなると、実は引越し業者に依頼するほうが安くなるケースもあります。
例えば東京から大阪までの引越しを、ハイエースを使って行った場合の総額は下記のようになります。
項目別 | 費用 |
---|---|
レンタカー代 (24時間) | 約16,000円 |
乗捨手数料 | 55,000円 |
ガソリン代 | 7,000円 |
高速料金 | 11,000円 |
梱包資材 | 2,000円 |
合計 | 91,000円 |
さらに友人にサポートをお願いした場合には、交通費や食事代も追加で必要になります。そうなると、引越費用として10万円近くかかります。1人暮らしで通常期に500kmの引越しをするときの相場が8.4万円で、交通費と合わせるとこちらも10万円になります。
同じ金額ならレンタカーでもいいじゃないかと思うかもしれませんが、10万円というのはあくまでも相場です。引越し一括見積もりサイトなどを使って相見積もりの状態にすれば、相場よりもはるかに安い金額で引越しできることもあります。
しかも運転で自分が事故を起こすリスクもなく、荷物はプロが丁寧に運んでくれます。安さを追求していたはずなのに乗り捨てを選んでしまったために割高になることが多々あります。移動距離が長ければ長いほどその傾向にありますので、遠方への引越しを考えているときには必ず引越業者に見積もりを取っておきましょう。
そのとき、レンタカー乗り捨てのほうが明らかに安いならそちらを選べばいいですし、引越業者が頑張って安値を提示してくれたら、安心して任せられる引越業者を利用しましょう。
まとめ
引越し料金を抑えたいけど、移動距離が長いときにはレンタカーの乗り捨てサービスを利用するという方法があります。ただし、移動距離が長くなればなるほど乗捨手数料が高額になるため、結果的に引越し業者に依頼したほうが安く、安全に引越しできるケースもあります。
乗り捨てサービスを使う必要がある場合には、必ずレンタカー費用と引越し業者の見積金額を比較して選ぶようにしましょう。引越し一括見積もりサイトを利用すれば、相見積もりの形になって相場よりもかなり安く引越しできることもありますので、面倒でも見積依頼をしてください。
また、乗り捨てサービスは事前に申し込みが必要で、営業所や車両によっては乗り捨て不可になることもあるので、まずは早めの車両確保に努めましょう。また、乗り捨てできなかったときのプランも合わせて検討しておきましょう。