母子家庭の引越し費用の助成金!最大50万円を無利子で借りる支援制度

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母子家庭で収入が少ない場合、生活を楽にするために引越しをしようと思っても、引越し費用の捻出が難しいという問題があります。もっと家賃の安い物件に引越しをして固定費を抑えたいのに、その引越しをするお金がないという問題に悩んでいる人もいますよね。

でも母子家庭にはセーフティネットとして、国による支援制度が用意されています。それらの制度を利用すれば無利子もしくは低金利で引越し費用を貸してもらえ、生活を立て直すことができます。そこでここでは、母子家庭が利用できる支援制度についてご紹介していきます。

母子家庭の引越し費用相場

母子家庭が引越し費用に利用できる支援制度をご紹介する前に、母子家庭が引越しをするときにどれくらいの費用が必要になるのかを見ていきましょう。費用相場を把握することで、どれくらいお金を借りれば良いのかを把握しましょう。

賃貸契約に必要な費用

まず必要になるのが新居を借りるための費用です。賃貸物件を借りるときには、下記の費用が発生します。

  • 敷金
  • 礼金
  • 前払い家賃
  • 仲介手数料
  • 火災保険料
  • カギの付け替え費用

最近は礼金ゼロ、仲介手数料ゼロという物件も増えてきましたが、それでもこれらを合計すると家賃の4〜5ヶ月分は必要になります。新居の家賃が5万円なら、20万〜25万円も用意しなくてはいけません。

引越業者に支払う運送費

引越しを業者に依頼する場合には、引越業者に支払う運送費が引越し費用として発生します。これは移動距離や荷物の量によって違いますが、2人家族が引越しをする場合には平均で下記の料金がかかります。

距離料金
市内4万円
都道府県内4.2万円(50km以内)
100km以内4.9万円
200km以内7.2万円

これは通常期の平均で、繁忙期になると1.5〜2倍かかります。さらに荷物が多い場合や、エレベーターのない5階といった搬出や搬入が難しい物件でも、引越し費用が上がります。どれくらい費用がかかるのか概算だけでも知りたいという場合には、引っ越しシミュレーションなどを利用して確認してみましょう。

いずれにしても母子家庭が引越しをするのには、引越し費用として25万〜35万円くらいは必要になります。引越しをして家賃が2万円下がるなら、1年から1年半くらいで元が取れるのですが、貯金がないので引越しを諦めそうになっている人もいるかと思います。

編集部
編集部

支援制度!

でも安心してください。母子家庭で利用できる国の支援制度を使えば、引越し費用を借りることができます。

母子家庭の引越し費用を貸してくれる支援制度

収入が少ない母子家庭が引越しをするときには、下記2種類の支援制度を使ってお金を借りることができます。

  • 母子父子寡婦福祉資金貸付金制度
  • 生活福祉資金貸付制度

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は母子家庭もしくは父子家庭、寡婦のための制度で、生活福祉資金貸付制度は母子家庭に限らず低所得者世帯であれば利用できる制度です。利用にあたってはまず母子父子寡婦福祉資金貸付金制度が優先され、審査落ちした場合に生活福祉資金貸付制度を利用することになります。

それぞれの制度について詳しく見ていきましょう。

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度:転宅資金

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度は20歳未満の児童を扶養している配偶者のない女子または男子、寡婦等に貸し付けをしてくれる制度で、もちろん母子家庭で利用できます。ただし、対象となるのが敷金・礼金・前家賃などの諸経費と引越業者に支払う運送費などが対象になります。

注意

引越しにともなう交通費や火災保険、ゴミの撤去費用などには利用できません。その他、転居に必ずしも必要でない資金には利用できません。

26万円までを据置期間6ヶ月で借りることができ、保証人がいれば無利子、保証人なしでも年1.0%の利率で貸してもらえます。貸付については審査があり、必ずしも借りられるわけではありません。また、審査や交付に時間がかかるため、時間に余裕を持って申し込む必要があります。

住宅を移転するため住宅の貸借に際し必要な資金

限度額260,000円
据置期間6ヶ月
償還期間3年以内
利率(保証人有)無利子
(保証人無)年1.0%
申込み福祉担当窓口
福祉事務所

生活福祉資金貸付制度:福祉資金・福祉費

生活福祉資金貸付制度の福祉資金・福祉費は低所得者世帯、障害者世帯、高齢者世帯を対象にした貸付制度で、「運送費、敷金、権利金、礼金等、水道又は下水排水路等の整備等」に必要な資金を50万円まで貸してもらえます。

母子家庭でも世帯収入が基準以下だった場合には、低所得者世帯として利用できます。申込みから貸付まで1ヶ月程度かかりますが、保証人がいれば無利子、保証人なしでも年1.5%の低金利で借りることができます。

住居の移転等、給排水設備等の設置に必要な経費

限度額500,000円
据置期間6ヶ月
償還期間3年以内
利率(保証人有)無利子
(保証人無)年1.5%
申込み市区町村社会福祉協議会

生活福祉資金貸付制度:総合支援資金・住宅入居費

離職により住居を喪失する場合には、生活福祉資金貸付制度の総合支援資金・住宅入居費を利用して資金を借りることができます。ただし、住居確保給付金を申請している人が対象で、申請を行っていない場合には利用できません。

  • 敷金・礼金等
  • 入居に際して当初の支払を要する賃料、共益費、管理費
  • 不動産仲介手数料
  • 火災保険料
  • 入居保証料
  • その他入居に必要な経費
  • 運送費

貸付対象はこのようになっており、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度と違い火災保険料などにも利用できます。

敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用

限度額400,000円
据置期間6ヶ月
償還期間据置期間経過後10年以内
利率(保証人有)無利子
(保証人無)年1.5%
申込み市区町村社会福祉協議会

支援制度を利用するときの注意点

母子父子寡婦福祉資金貸付金制度もしくは生活福祉資金貸付制度を利用すれば、母子家庭でも生活を立て直すために引越し費用を借りることができますが、利用するにあたって注意しなくてはいけない点がいくつかあります。

どのような点に注意しなくてはいけないのか、見ていきましょう。

申込みから貸付までに時間がかかる

まずどちらの制度も、申込みから貸付までに1ヶ月くらいかかります。それだけでなく、まずは相談する形になるので、申し込みをするまでにも時間がかかります。さらには賃貸物件の管理会社や引越業者から見積書などを出してもらう必要もあるため、トータルで2ヶ月程度かかると考えておきましょう。

このため、今すぐに引越しをしたいという場合には利用できません。

編集部
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遠方の引越し先での仕事が決まっており、すぐにでも引越しをしなくては行けないという場合には、クレジットカードやカードローンなどを使ってお金を借りましょう。

返済能力がないと利用できない

これらの制度は「貸付」となっており、いずれも返済能力がないと判断された場合には利用できません。お金がない人のための制度なのに、返済能力を求められるというのは理不尽に思うかもしれませんが、返済することが前提の制度ですので仕方ありません。

ただし無職という理由だけで、門前払いされることはありません。無職である事情を説明し、将来的に就職する意思があれば貸付してもらえます。ただし、その計画に具体性がなく「働くつもりです」というだけで審査落ちする可能性があります。

いずれにしてもまずは、それぞれの申込先で相談をしてみましょう。そのときに返済能力の確認をされるため、可能であれば引越先での就職を決めておいたほうが有利になることだけ頭に入れておきましょう。就職先が決まっていない場合には、きちんと完済する意思があることを強調して伝えましょう。

生活保護受給者は利用できません

生活保護を受給している場合には、母子父子寡婦福祉資金貸付金制度や生活福祉資金貸付制度では引越し費用を借りることはできません。生活保護受給者の場合には、住宅扶助として敷金や引越し料金などを支給してもらえます。

生活保護受給者が引越しをする場合には、役所の許可を得なくてはいけません。まずは担当のケースワーカーに相談をしてください。このとき、引越しする理由が重要になります。なぜ引越しが必要なのかをきちんと伝えられるように準備しておきましょう。

母子家庭の引越しで必要になる手続き

引越しをしたあとに必要となる手続きについても見ていきましょう。母子家庭が引越しをするときに手続きが必要になる制度は下記の4種類です。

  • 児童扶養手当
  • 児童手当
  • ひとり親家庭等医療費助成
  • こども医療費助成

それぞれの手続方法や注意点について、詳しく解説していきます。

児童扶養手当

児童扶養手当は母子家庭および父子家庭に対して支給される手当で、引越しをするときには手続きが必要になります。

  1. 旧居のある市区町村役場に手当証書と印鑑を持参し、児童扶養手当の転出届を提出
  2. 引越し先の市区町村役場で児童扶養手当転入届を提出

児童育成手当を受給している場合、引越しで受給する場合には合わせて手続きをおこないましょう。

児童手当

児童手当は母子家庭であるかどうかに関係なく支給されますが、他の市区町村に引越しをする場合には手続きが必要になります(同一市区町村は住所変更届を出せば自動的に完了)。

  1. 旧居のある市区町村役場で児童手当受給事由消滅届を提出
  2. 旧居のある市区町村役場で所得課税証明書を発行
  3. 引越し先の市区町村役場に必要書類を持参し、児童手当認定請求書と所得課税証明書を提出

支給漏れを防ぐために児童手当認定請求書は、新居に引越してから15日以内に提出してください。

ひとり親家庭等医療費助成

ひとり親家庭等医療費助成は母子家庭や父子家庭の生活の安定と、自立を支援するための制度で、医療保険の自己負担分が無料になります。

  1. 旧居のある市区町村役場で医療証の返納(同一自治体なら変更届)
  2. 引越し先の市区町村役場で医療証の交付申請

転入から1ヶ月以内が申請期限です。時間に余裕があるとはいえ、いつ病院に行かなくてはいけなくなるか分かりませんので、転入届を出すときに交付申請を行っておきましょう。

こども医療費助成

ひとり親家庭等医療費助成は所得制限が厳しく、こども医療費助成を利用しているという場合にも引越しをするときにも手続きを行いましょう。

  1. 旧居のある市区町村役場で医療証の返納(同一自治体なら変更届)
  2. 引越し先の市区町村役場で医療証の交付申請

住民異動届(転出届)で自動的に資格消滅となる自治体もあります。その場合は、旧居のある市区町村役場での返納は必要ありません。引越先の市区町村役場で申請だけ行ってください。

自治体の独自制度も申請しておこう

自治体によっては母子家庭に対して、住宅手当などの独自制度を用意していることがあります。引越し先にどのような制度が用意されているのかを役所に問い合わせをして確認しておき、他の手続きと合わせて申請しておきましょう。

自治体独自制度の例

  • 住宅手当
  • 児童育成手当
  • 就学援助
  • 福祉乗車券
  • 粗大ごみの手数料免除
  • 上下水道料金の割引
  • 保育料の免除や減額

引越し一括見積もりサイトを利用して格安に引越し

母子家庭なら国の貸付制度を使って、引越し費用を借りられることが分かってもらえたかと思いますが、給付ではなく貸付ですので借りたお金は返さなくてはいけません。そうなると、新居での生活費を圧迫させないためにも、引越し費用を少しでも安く抑えたいですよね。

引越しライター
引越しライター

必要以上の料金を払わされないようにするために、面倒でも必ず2〜4社で相見積もりにしましょう。

引越し一括見積もりサイトは1回の申込みで、複数の引越業者に対して見積依頼できる便利なサービスで、相見積もりになるため引越業者同士が価格競争をしてくれます。

1社に直接見積依頼をすると、どの引越業者も利益を上げるために最初は相場よりもかなり高い金額を提示してくるので、そこから値段交渉が必要になります。ところが引越し一括見積もりサイトはそのような手間をかけずに、相場以下の料金で引越しできます。

直接見積依頼するよりも半額以下で済んだという人もいるほどですので、母子家庭で引越し費用を少しでも安くしたいのであれば、引越し一括見積もりサイト経由で業者選びを行いましょう。

まとめ

収入がそれほど多くない母子家庭でも、家族の都合や転職などで引越しが必要になるときがあります。とはいえお金がないことには引越しができないわけですが、その引越しが生活の立て直しに繋がるのであれば、きちんと国が支援してくれます。

まずは母子父子寡婦福祉資金貸付金制度を使って引越し費用を借りられないか、地方公共団体の福祉担当窓口または福祉事務所に相談してみましょう。審査に通らなかった場合には、生活福祉資金貸付制度を使ってみましょう。

いずれも審査に時間がかかりますので、引越し予定日の2ヶ月前に窓口や担当者に相談してください。ただし、貸付ですので返済能力がない場合には審査落ちします。可能であれば、新居での仕事が決まった状態で申請してください。

できるだけ貸付を受けやすい環境を整えておくことが、審査を通すコツになります。引越しをしなくてはいけない理由と、生活がどう立て直しできるのかを具体的に説明できるようにしておくのも重要ですので、相談に行く前にしっかりと準備をしておきましょう。