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引っ越しをしたあとはお蕎麦を食べるもの。理由はよくわからないけどずっと伝わる風習だから引っ越し後に引っ越し蕎麦を食べている人いませんか?
せっかくなら引っ越しを終えて、お蕎麦を食べるときに、引っ越しそばの由来なんかをみんなに教えてあげると、ちょっと賢い人だと思ってもらえるかもしれません。そんな誰かに話したくなる、引っ越しそばの雑学を紹介します。
引越し百科の運営会社である株式会社SMAの代表兼ウェブディレクター。自身の引越し経験5回を元に記事の制作やキーワードコンセプトを決めるなど、サイト全体のプロディース業務を務めている。SEO業界のセミナー講師も務める。
2015年9月からWebメディアを中心に執筆を行っています。引越し経験10回の体験談を基に、ユーザー目線で役立つ情報を提供します。これまで、不動産、金融、旅、スポーツなど多岐にわたるジャンルで記事を執筆してきた経験があり、実践的で分かりやすい内容に自信があります。
引っ越しそばの由来は江戸時代から
引っ越しそばは江戸時代の中期から広まった習慣で、最近は引っ越しの後に食べるものだと思っていますが、本来は引っ越しの際に挨拶の品として近所にそばを配っていたそうです。
おそばを配るのは「向こう三軒両隣」であとは近所の顔役や家主などにも配っていました。
引っ越しそばの意味
では、なぜそばなのでしょうか?引っ越しそばの意味について説明します。
引っ越しそばの意味として、昔の人は蕎麦(そば)と側(そば)をかけていたのです。
「蕎麦(側)に引っ越してきましたよ」という洒落も込めて、細く長くお付き合いをよろしくお願いしますとおそばを配っていました。おそばひとつにそれだけ意味を込めるなんて、昔の日本人は遊び心を大切にしていたということなんでしょうね。
しかし、挨拶の品としてそばが選ばれたのは、洒落っ気があるだけでなく、単純に安かったからだそうです。とはいえ安いものだからこそ長く続いた風習なのかもしれません。
引っ越しそばを自分たちで食べるようになった理由
いつの間にか「引っ越したらおそばを配る」から「引っ越したらおそばを食べる」に習慣が変わっているのですが、なぜこのようなことになっているのでしょう。
おそらくこれは、少し前の引っ越しが引っ越し業者の手だけではなく、多くの人たちの力を借りて引っ越しを行っていたからではないでしょうか。
30年前は引っ越し業者が無かった
引っ越しの専門業者ができたのは昭和50年代の初期ですから、それまでは「引っ越しはみんなでするもの」というのが一般的な考え方だったのです。
現在の若い人には信じられないかもしれませんが、30年近く前は会社の上司の引っ越しに部下が手伝いに来るというのがあたり前の時代でした。
それだけではなく、友人同士も引越の手伝いをお互いにしていたのです。
そんな引っ越しを手伝ってくれた人に、引っ越し後の「ご苦労様」という意味で、本来配るはずのおそばを調理して出したことから、引っ越し後におそばを食べる習慣が定着したと考えられます。
いまでは引っ越しは引っ越し業者が何でもやってくれますので、引っ越しを誰かに手伝ってもらうことも減っています。それでも引っ越し後にはおそばを食べるものという記憶だけが残っているため、引っ越し作業を終えたらおそばを食べなくてはとなるのかもしれません。
麺類なら引っ越しうどんでも大丈夫?
なぜ引っ越し後に自身でもお蕎麦を食べるようになったのかとうことについて説明しました。しかし、時代も変わり引っ越しそばの風習も必ず蕎麦であるということもないようです。
現代では引っ越し後に食べるものは蕎麦に限らず、うどんなどでも問題はありません。
その理由としては以下の通りです。
地域によって引っ越し後食べるものが違う
地域によっては、その土地の名産品でお祝いする地域もあります。
例えば、うどん県の香川県の西部では、「初風呂うどん食え」といって、新築を建てたときの最初のお風呂でうどんを食べる習慣があるそうです。
また、沖縄などではそもそも麺ではなく、親戚や友人らを集めて泡盛などを飲んでお祝いしたり、島マース(塩)などで清めたりする風習もあるとか。
引っ越し当日は時間がないので簡単な食事で済ます
引っ越し当日はとにかく時間が無いものです。荷解きが終わらず、食事の用意もできないなんてことも当たり前です。
その点でも、麺類は比較的調理が簡単な為、引っ越し後の食事として定着しているかもしれません。
蕎麦が苦手、そばアレルギーという方にはうどんを配ったり好きな麺を自身で食べてもよいでしょう。
引っ越しの挨拶にそばを配るときの注意点
引っ越しそばは近所に配るものだと聞くと、タオルや洗剤のような味気ないものではなく、江戸時代の人たちに習っておそばを配ろう。そう考える人もいるかもしれません。
ただ、安易におそばを配るのはちょっと待って下さい。
そばアレルギー
最近はそばアレルギーの人が増えています。そばアレルギーの人は全国に3万5千人いると言われています。1500世帯に1世帯ぐらいの割合ですので、そう簡単にはそばアレルギーの人が隣近所にいるわけではありませんが、絶対にいないとも言い切れません。
そばアレルギーはとても深刻なアレルギーですので、そばアレルギーの人に対して引っ越しの挨拶におそばを配ったら「無神経な人」と思われてしまう可能性があります。
もし引っ越しの挨拶におそばを配ろうと思うなら、先ほども案内したうどんもいくつか用意しておきましょう。
おそばを渡すときに「おそば食べられますか?」と確認するようにしてください。もしそばアレルギーを持っているようでしたら、挨拶の品をうどんに変えてください。
うどんの種類に迷ったら細く長くという意味を込めたいので、稲庭うどんがいいかもしれません。
時代とともに変わる挨拶品
引っ越しそばは、引っ越しを終えた後に食べるものだと思い込んでいた人は多いのではないでしょうか。引っ越しそばは近所に配るものというのが始まりだという豆知識、ぜひ自分や誰かの引っ越しのときに披露してみましょう。
時代が変わっても忘れたくないのが、近所への引っ越しの挨拶です。最近は引っ越しの挨拶もしないという人たちが増えてきましたが、何かあったときに協力し合うのが向こう三軒両隣です。
部屋数の少ないアパートやマンションならすべての部屋に、大型のマンションならせめて両隣には挨拶に行きましょう。挨拶の品はお蕎麦といきたいところですが、紹介した注意点を参考に、もらう人のことへの配慮を忘れないようにしてください。
最近では引っ越しの挨拶に蕎麦ではなく、お菓子や日用品を配るのが主流のようですが、何年後かにはまた違う贈り物が流行るかもしれません。
引っ越しの挨拶品一つで、時代の変化を感じられますね。